私がデータベース会社の社員として働いていた頃、ターゲティングの手法をクライアントに提案していました。
私が働いていた会社は、日本中の医療施設、医師などの情報をデータベースにして主に製薬企業に提供していました。
私は製薬企業に、もっとデータベースを有効活用していただくための、様々なマーケティング の提案をしていました。
その中で、最も大きなプロジェクトが医師のターゲティングです。
製薬企業の営業マン(MRと言います)は、どの医師と面談することが自社製剤の売り上げを伸ばしことができるか?
医師は診療で忙しいので、医師と接触するには、限られた少ない時間を有効に使う必要があります。
そのためには、どの医師と接触すべきかをデータベースを活用して効果的なターゲティングをしなければならないのです。
私たちは、IT企業とコラボして、その手法を編み出しました。
それは、アメリカでギャングの組織構造を把握するためのアルゴリズムを利用することでした。
他のいくつかのデータベースとミックスさせ誰と誰がどの程度の強さの結びつきがあるかなどを把握するのです。
つまり誰と接触すれば、どの人々に波及効果があるかがわかるのです。
本来、営業は自分の足を使って、それらの情報を拾い集めた結果その顧客の人脈が徐々にわかってくるのですが、
それを、システマチックに行うことで、スピーディーに効果が得られる夢のような仕組みでした。
これは、顧客データベースを中心にした、様々なデータがあってこそできることなのです。
私が現在、中小企業を中心にコンサルティングをしています。
中小企業のほとんどが、マーケティングに使えるようなデータベースを構築していません。
顧客の人脈や波及効果がわかれば、どの顧客にアプローチすれば口コミ、つまりバズるのかが明確にわかります。
中小企業の場合、そこまでは無理としても基本的なデータベースが構築、運用されていれば、どの顧客から口コミが発生する可能性が高いのがわかります。
つまり、顧客のロイヤルティが高いか?
ロイヤルティは忠誠という意味ですが、マーケティング的には「ファン度」とも言えます。
その商品や会社のファン度が高ければ、知人や他人にも勧めたくなります。
つまり、ロイヤルカスタマーから口コミが発生する可能性が高いと言えます。
ヒトモノカネなどのリソースが大企業ほど潤沢でない中小企業でもデータベースがあると効果的なマーケティングが可能なのです。
だからビジネスにとってデータベースは重要なのです。

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