前回、営業日報についてお話ししました。
営業日報で顧客とのやり取りなどの情報を報告することによりその情報から顧客との関係性がわかり、その顧客へどのような、提案をするのが適切なのかをわかります。
それをシステマチックにするのが、CRMであり、関係性マーケティングなのです。
ところが、ここで大きな問題があります。
営業日報自体が機能していない。
つまり、営業マンがサボっているのを隠したり、「どうせ読んでいないだろう」と思って適当に報告したりすることで、重要な情報が得られないことです。
これは、多くの会社で起こっている問題です。
では、どうしたらこの問題を解決できるのでしょうか?
2つの方法があります。
一つ目は、必要な情報を必ず報告するように、営業マンを再教育すること。
もちろん、報告のための時間を取ることや、できるだけ簡素であっても、必要な情報が得られるような工夫をすることも重要です。
もう一つは、営業マンに全てを依存しないことです。
営業マンからは、最低限の必要な情報を得ることだけにして、会社主導でCRMを運用していくのです。
つまり、顧客とのインターフェイスは営業マンだけではなく、マーケティング的な接触は、会社側で行うのです。
例えば、売上情報だけでも顧客別にどの段階にいるのかは、把握できます。
この顧客は、新規顧客かロイヤルカスタマーかなどです。
新規顧客には、メールやDM、電話を通じて、新規顧客にふさわしい、メッセージを伝えるのです。
A商品を初めて買った新規顧客には、A商品の意外な便利な使い方とか、A商品を買ったお客様の声を伝えます。
それにより、購入後の後悔を軽減でき、リピートの促進にも役立ちます。
そのように会社主導でCRMを運用するのです。
しかし、ここにも問題があります。
営業マンを抱えている会社は、営業マンに全てを委ねようとします。
「せっかく営業マンがいるのだから、彼らにやらせればいい」
という考えが強い経営者が多いのです。
私もその考えは理解できます。
しかし、経験から言うと、その方向性でマーケティングするとほぼ失敗してしまうのです。
もちろん、営業マンが顧客のインターフェースですから、営業マンが行うのがベストです。
しかし、それは営業マンは、それぞれ違う人間です。
できる人、できない人、色々あります。
営業マンを教育すると言っても、なかなか難しいでしょう。
インターナルマーケティングという社内向けのマーケティングもあります。
これも、うまく浸透するまで、時間もかかり、また、なかなかうまく行かない場合が多いです。
ですから、ある程度、役割分担を割り切った方が結果的にうまくいくと考えています。

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