私が広告会社の営業マンだった頃の話です。
外回りの営業をしていると、小さい楽器屋を見つけました。
私の趣味はギター演奏なので、興味深く、店の中をのぞきました。
そうすると、高価そうなギターが並んでいます。
私は思わず、お店見入って、色々と眺めていると、奥から、店主らしき人が出てきました。
どうも店主一人で経営している楽器屋のようです。
ギター好きの私は店主とギター談義に花を咲かせました。
しばらくすると、店主は店の奥から1本のギターを持ってきました。
素晴らしいビンテージのギターでした。
「これは68年製で、あの有名ギタリストが持っていたギターと同じ年式のギターで同じ音が出ます。」
と店主は私に言いました。
さらに、このギターを入手した苦労話やこだわりなどを聞きました。
私はこのギターを欲しくて欲しくて、たまらなくなったのです。
「これを売る気がありませんか?」と聞くと「売り物ではない。私物です。」と言われると、
ますます欲しくなってきました。
粘りつよく交渉して、売ってもらいました。
そして、同時に数十万円のローンを組んでしまったのです。
1時間前までは、そんな高価な買い物をするとは思っていなかったのに。
もちろん、そんなお金も持っていません。
私の中で、どのような感情のメカニズムが動いたのでしょうか?
それは、「売ろうとするから、売れない」と言う心理です。
つまり、最初から売る気満々で、セールスされたら、
私は買う気もなく、その場を立ち去ったでしょう。
これは、「追うと逃げる。逃げると追う」とも言えます。
ある量販店で、ちょっと時間つぶしに寄ってみました。
商品を見ていると、定員が寄ってきて、あれこれと説明し出しました。
私は「見てるだけですので・・・」と言って、
その場をそそくさと立ち去りました。
実は、興味があったので、もう少し見ていたかったのに。
これは、先ほどの逆ですね。
広告にも同じことが言えます。
「買って!買って!」と言うと売り込みされているから売れません。
同じく、顧客フォローにも言えます。
メルマガの内容もなるべく売り文句を入れないようにと日々アドバイスしております。
