私は30年ほど前に、広告の仕事をしていました。
NTTの電話帳広告の仕事です。
タウンページでは、特に多くの広告を出稿している業種があり、
業界では「3業種」と呼ばれていました。
その「3業種」とは、運送業、消費者金融、興信所(探偵)です。
これらの業界が主に集客するための媒体が電話帳でした。
1ページ広告や、半ページ広告を全国の電話帳に出稿していました。
大手の会社は、電話帳広告だけで、年間、数億円の費用をかけていたと思われます。
電話帳は、あいうえを順に掲載されるので、最初に掲載されるために、「アート引越しセンター」「アコム」「アイフル」など「あ」から始まる社名が多いのです。
これは、現在のグーグルの掲載順を争っているのと同じです。
私は、この3業種の専門の課に属しており、主に金融を担当していました。
当時は、サラ金と呼ばれているところです。
アコムなどの大手は、別のベテラン担当者が対応するので、
私のような新人は、地場の小さいサラ金業者を担当していました。
当時は、漫画のナニワ金融道そのままの世界で、私も結構怖い思いもしました。
話が逸れましたが、あれから30年経ち、ネットがこれほどまでに隆盛の現在、もう電話帳広告も媒体としての役割は終えていると思いました。
ところが、今でも電話帳で集客している業界があるのです。
もちろん、3業種は現在でも健在のようで、やはり電話帳で集客しています。
もちろん、以前のより電話帳への比重は下がっていますが、それでも、業種によって電話帳は有力な媒体であるのです。
私もコンサルでは、ネットだけに頼らず、その他の方法でも集客や顧客フォローをすべきとアドバイスしています。
例えば、メルマガやステップメールしかしていない会社などは、郵送のDMもすべきと言っています。
それは、他者がネットだけに頼っているなら、家庭のポストはがら空き状態です。
そこには、ライバルが少ないので、戦いも有利になります。
もう古いと、見過ごされていたマーケティング手法もやってみると、意外にコストパフォーマンスが良いのです。

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