古くて新しいマーケティング

投稿者: | 2023年3月16日

私は30年ほど前に、広告の仕事をしていました。

NTTの電話帳広告の仕事です。

タウンページでは、特に多くの広告を出稿している業種があり、

業界では「3業種」と呼ばれていました。

その「3業種」とは、運送業、消費者金融、興信所(探偵)です。

これらの業界が主に集客するための媒体が電話帳でした。

1ページ広告や、半ページ広告を全国の電話帳に出稿していました。

大手の会社は、電話帳広告だけで、年間、数億円の費用をかけていたと思われます。

電話帳は、あいうえを順に掲載されるので、最初に掲載されるために、「アート引越しセンター」「アコム」「アイフル」など「あ」から始まる社名が多いのです。

これは、現在のグーグルの掲載順を争っているのと同じです。

私は、この3業種の専門の課に属しており、主に金融を担当していました。

当時は、サラ金と呼ばれているところです。

アコムなどの大手は、別のベテラン担当者が対応するので、

私のような新人は、地場の小さいサラ金業者を担当していました。

当時は、漫画のナニワ金融道そのままの世界で、私も結構怖い思いもしました。

話が逸れましたが、あれから30年経ち、ネットがこれほどまでに隆盛の現在、もう電話帳広告も媒体としての役割は終えていると思いました。

ところが、今でも電話帳で集客している業界があるのです。

もちろん、3業種は現在でも健在のようで、やはり電話帳で集客しています。

もちろん、以前のより電話帳への比重は下がっていますが、それでも、業種によって電話帳は有力な媒体であるのです。

私もコンサルでは、ネットだけに頼らず、その他の方法でも集客や顧客フォローをすべきとアドバイスしています。

例えば、メルマガやステップメールしかしていない会社などは、郵送のDMもすべきと言っています。

それは、他者がネットだけに頼っているなら、家庭のポストはがら空き状態です。

そこには、ライバルが少ないので、戦いも有利になります。

もう古いと、見過ごされていたマーケティング手法もやってみると、意外にコストパフォーマンスが良いのです。

春の花

No656