定期コースの回数縛り

投稿者: | 2022年12月8日

今回は新規顧客獲得の事例になります。

通販会社では、サンプル商品を販売する広告を出稿します。

多くの場合は、新聞やフリーペーパーなど紙広告ですが、サンプル注文でかかってきた電話に対して、サンプルではなく本商品の定期コースにしませんか?

という、トークをします。

ネットで販売する場合は、一旦、サンプルを申し込みした後で、「ちょっと待って」というページに切り替えて、定期コースを勧めます。

定期コースは少し安くなりますし、サンプルもプレゼントします。という内容です。

でも、安くする代わり、定期コースを3回は続けてください。

という「回数縛り」を条件とします。

定期コースになっても、1回、2回で辞めてしまったら、利益が取れないために、最初から継続回数を約束させてしまうのです。

これは近年の通販のトレンドとなっています。

しかしこれは、社会問題となっていて、回数縛りをする場合、必要回数分で支払う、全額と期間を顧客に説明しなければならないと改正特定商取引法で定められました。

それでも、回数縛りでの販売が多く見られます。

私のコンサルティングしている通販会社でも回数縛りをテストする事になりました。

私の意見としては、回数縛りは反対です。

理由は、顧客にとってメリットがないからです。

商品を真に気に入って使い続けるならいいのです。でも、一度も使ったことのない商品です。

実際に使ったら、「思ったのと違う」ということもあるでしょう。

そうなると、安くなるのは、良いけれど、使ってもいない商品を何回も使い続けることになってしまいます。

「でも、顧客がそれを納得しているのなら、いいのでは?」

という意見もあるでしょう。

しかし、顧客との関係性も構築されていないのに。下手すると顧客から信頼性を失いかねません。

やはり、顧客から関係性を築くことで信頼性が生まれるし、お互いに良い関係性の中で、リピートすることで、ロイヤルカスタマー化が進むのです。

とはいうものの、強い希望でしたので、回数縛りのテストをしました。

その結果は・・・

回数を縛っても、やはり、辞めたい人はいます。

「3回は続ける約束です。」と言っても「そんなの聞いていない」と憤慨する方もいます。

強引に辞めさせない会社もありますが、これこそ、顧客からの信頼性を失墜させることになります。

そして、サンプル注文をした顧客に定期コースを回数縛りですすめると、定期になる顧客が減ります。

つまり、回数縛りの条件があるなら、商品はいらない。

ということです。

結果的に回数縛りをしない方が、売り上げ的にも、ロイヤルカスタマー戦略にも良いことが実証されました。

335

No643