ある会社からコンサルティングの依頼を受けました。
早速、訪問してヒアリングをしました。
その会社には長い歴史があり、既存顧客も多く抱えていました。
でも、競合他社が値下げをしてきて、顧客が奪われるため、しかなく、価格を値下げしたのです。
それが、原因で利益が出ていない状況でした。
元の価格に値上げすると顧客は奪われるばかりでなく、
新規顧客も獲得できません。
「これだけの顧客を抱えているのですから、それを最大限に利用しないと、もったいないですよ。」
と言いました。
主力商品の値上げはできないだろうから、
関係性の高い、新規商品を既存顧客に販売することを提案しました。
つまり、新規顧客を獲得するより、付き合いの長い既存顧客にクロスセルする方が、早くコストも減らせるからです。
でも、それには大きな問題がありました。
それは、これまで顧客との関係性を重視していなかった点です。
つまり、売ったら売りっぱなし。
主力商品は継続購入する商品なので、毎月、顧客先に訪問するのですが、
商品を渡せば、それで終わりです。
それ以外のことは何もしていないのです。
営業マンからすると、商品を渡してサッサと帰る方は面倒がなくていいのはわかります。
でも、それでは顧客との関係性は生まれません。
さらに、顧客は営業マンの顔は何となく覚えていても、名前は覚えていません。
「XX会社の人」ぐらいの認識しかないのです。
それでは、関係性は深まりません。
そのような、状況では、クロスセルしてもほとんど売れないでしょう。
顧客と関係性を構築することは、短期間ではできません。
顧客フォローで接触を繰り返すことで、徐々に出来上がるものです。
しかし、このケースの場合、先ずは最速で売り上げを作らなければいけません。
そこで、考えたのは2段階の顧客との接触です。
その内容は次回にお話したいと思います。

No660