私は約30年前にデータベースを扱う会社に入社しました。
そこで、データベース・マーケティングを学びました。
その頃は、まだマスマーケティングの時代でした。
マスマーケティングとは、対象者を限定せず、できるだけ多くの人に目に触れるように広告を展開するマーケティングです。
媒体に広告をできるだけ多く出すことで、商品やサービスが売れて行くのです。
相手が子供であろうが老人であろうが、男であろうが女であろうが、お構いなしに広告を出し続けます。
そういえば、広告だけでなく、訪問販売もそうでした。
いわゆる「飛び込み営業」です。
私も20代の頃に3年間ほど、飛び込み営業をしていました。
広告の営業でしたので、商店街の端から端まで一軒ずつ飛び込みしました。
その店が何か別の広告をしているか、
また、今、広告を必要としているか、
どんな商品をどんな顧客に販売しているか、
など一切関係ありません。
とにかく、数をこなすことを必要とされていました。
このように、顧客対象を絞らず、とにかく宣伝をしまくった結果、徐々に反応が下がっていきました。
大衆は様々な商品を欲していましたが、物あまりの時代になり、広告すれば売れる時代ではなくなってきたのです。
そこで必要になってくるのは、個々の顧客のことを、よく理解すること、知ることになります。
そのために必要なものがデータベースです。
ただ、個人情報保護法が施行され、多くの方は自分の情報の重要性を感じることになりました。
だからこそ、顧客との関係性を密にして、お互いの信頼性を築くことで、貴重な情報が得られるのです。
そして、その情報をどのように管理して運用するのかなどの技術的な対応を含めたマーケティングがCRMを核とした関係性マーケティングです。
21世紀の今こそ、ビジネスにおいて関係性マーケティングは必須です。
特に中小企業にとっては急務と言えるでしょう。
(619)